半年以上こじれた離婚の話し合いが、第三者の介入で動き出した
2026年10月28日(水)
夫婦だけで話し合うと、どうしても感情がぶつかり合ってしまう。相手の言葉が強く聞こえ、自分の言葉もうまく届かない——。そんな苦しい時間を経て、リコ活調停を利用し、約1ヶ月、3回の話し合いで離婚を成立させた中村悠斗さん(仮名)にお話を伺いました。
「終わらせたくない」だから苦しかった
中村さんが離婚を意識し始めたのは、離婚成立の1年ほど前。当初、離婚を強く望んでいたのは妻の方で、中村さん自身に「終わらせたい」という気持ちはなかったといいます。
「僕としては、直前まで離婚する気はさらさらなかったです。精神的にも体力的にもしんどかったですし、何より僕自身は離婚したいわけではなかったので、そのネガティブな話し合いを進めること自体に、すごく抵抗感があったんです。
ただ、話し合いや口論を繰り返すうちに、相手の中で『早く夫婦関係を終わらせたい』という気持ちがどんどん固まっていったんだと思います」
妻から「離婚」という言葉がはっきりと出るようになり、タイムリミットを設けられても、家事と育児と仕事に追われる生活の中、離婚の条件や今後のことをじっくり考える余裕などなかったと中村さんは語ります。
こうした状況の中で、「ここまで感情がこじれる前に、第三者に間に入ってもらえばよかったかもしれない」と振り返ります。
「第三者に間に入ってもらえば、どんなに忙しくても『考えざるを得ない』状況になります。お互い気持ちの整理がつかないまま、答えの出ない苦しい時間を長く抱え込まずに済んだかもしれません」
「裁判所の調停」ではなく、リコ活調停を選んだ理由
実際にリコ活調停の利用に至ったきっかけは、妻から「このまま話が進まないなら裁判所に調停を申し立てる」と言われたことでした。
「裁判所の調停になると、どんな展開になるかわからないし、自分が不利になる可能性もあるなと、正直怖かったんです。それなら、フラットな場で話し合いたかった」
裁判所の調停には杓子定規な印象が拭えず、相手の言い分がそのまま通ってしまうのではという不安もあったそう。弁護士への相談を考えたものの、求めていたのは法的な代理人というより「相談できる第三者」だったといいます。
「僕の言い分が全て正しいとは思いません。だから弁護士に僕の意見を通してほしかったわけではない。シンプルに、悩み事を聞いてほしいという気持ちが強かったです。
お互いの意見に隔たりを感じていたので、間に立って整理してくれる存在を求めていたんです」
調停人という第三者による"言葉の言い換え"の力
オンライン調停は1回目から3回目まで、それぞれ約2時間。1回目は親権について話し合い、共同親権にすることは特に大きな対立もなく決まりました。
続く養育費や子どもとの交流についても、調停人が一般的な算定表をもとに整理したことで、当初お互いの希望に開きがあった金額も、無理なくすり合わせることができたといいます。
調停の中で中村さんが最も印象に残っていると語るのが、調停人による「言葉の言い換え」でした。特に2回目の調停では、中村さんの両親との交流をめぐって、Zoom画面越しに双方の意見がぶつかる場面があったといいます。
「そういう時、調停人の方が、僕の言い分も相手の言い分も『こういうことではないですか』と、かみ砕いてやわらかい言葉に置き換えてくれました」
そのやり取りを通じて、「僕から直接言われるより、第三者から言われる方が、相手も聞く耳を持ってくれる」と実感したといいます。
「調停人はずっとフラットで、一般論を押し付けることもなく、双方の意見を聞いた上で整理してくれました。それが本当によかった」
一方で、調停人から具体的な「こうすべき」というアドバイスはなかったとのこと。中村さんは、それもむしろ良かったと振り返ります。
「もし『こうした方がいいですよ』などと言われていたら、後から『あの時、調停人に言われたから……』と誰かのせいにしてしまう瞬間があったかもしれません。だから、明確な指示がない方が良かったと思います」
リコ活調停だから動いた、こじれていた祖父母交流の話
この半年以上こじれていた問題は、調停でのやり取りをきっかけに、わずか2週間ほどで解決に向かったといいます。
リコ活調停は、専門の研修を受けた調停人が中立な立場で進行する点が特徴です。中村さんも、こうした環境のなかで話し合いを重ねたことが大きかったと振り返ります。
象徴的だったのが、中村さんの両親と子どもとの交流をめぐる話し合い。新居への引っ越し後、義両親の出入りが増えていく一方で、遠方に住む中村さんの両親は子どもとほとんど会えない状態が続いていました。
2回目の調停で、離婚後の祖父母交流の話題になった際、感情的な反発が起きる場面もあったそうです。
ところが3回目の調停では一転して、自分の感情ではなく子どもの気持ちを優先すべきだったことに気づいた、という発言がありました。 長い間、夫婦間で深い溝となっていた問題が、話し合いを重ねる中で気持ちの面から動き出したことに、中村さん自身も驚いたといいます。
「調停の場で冷静に話し合いが進んだことで、相手も、自分の中で消化することができたのではないでしょうか。もっと早くこの冷静さを持てていたら、離婚以外の選択肢もあったのかもしれない、とさえ思いました」
約1ヶ月、3回で調停成立。振り返って思うことは
3回目の調停では、合意書の細かなニュアンスのすり合わせが中心となりました。誤解を招きかねない言葉遣いを一つひとつ見直し、宿泊を伴う交流の記載についても丁寧に確認を重ねたといいます。
「今振り返ると、もう少し細かく書いておいてもよかったかなという不安も残っています。ただ、あまり細かく書きすぎると、逆に『合意書に書いてあるでしょ!』とそれ自体が火種になることもあると聞きました(笑)」
オンラインで調停を行うことへの不安について問うと、「全くなかった」ときっぱり。
「事前に(リコ活の)プランナーと面談していたこともあり、不安は何もなかったです。調停人の方も弁護士ということもわかっていたので、安心してお任せできました。
平日は仕事があるので、土日や夕方など、仕事や育児に影響が出ない時間帯に調整してもらえたのも本当にありがたかったですね。この点は特に、妻もそう感じていたと思います」
悩みの渦中にいる人へのメッセージ
最後に、このサービスをどんな人に薦めたいか尋ねました。
「悩みの真っ只中にいる人にこそ、『1回やってみたら?』と伝えたいです。何に悩んでいて、何が問題点なのか。第三者が間に入ることで自分の考えを整理することにもなりますし、相手が本当に望んでいることもわかる。
お互い冷静に話すことで、離婚以外の答えが見えてくる可能性もある。離婚するにしても、冷静に今後を考えるきっかけになると思います」
リコ活調停は法務大臣認証のADR(裁判外紛争解決)機関で、話し合いで合意した内容は書面として残り、一定の法的効力を持ちます。裁判所の調停に比べて期間・費用の負担を抑えられる点も、忙しい中で決断を迫られていた中村さんにとって、利用しやすさにつながったのかもしれません。
本記事は、リコ活調停をご利用いただいた方へのインタビューをもとに構成しています。プライバシー保護のため、お名前は仮名とし、個人が特定されうる詳細の一部を編集しています。